【遊戯王】何故氷水デッキには除去カードが必須級なのか

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遊戯王のマイナーテーマ氷水のデッキ構築。
9期のダイナミストの頃から、な~~~ぜか水属性のマイナーテーマを気に入りがち。そういう訳でここ数か月で数回に渡り構築を見直してきましたが、特に3つめのデッキはそこそこ良い感じに作れたんじゃないかなと思います。
今回は何故除去が必須級と思ったのかの部分を、ちょっと細かく背景を追って出来るだけ説明してみます。端的に言えば氷水テーマには今も尚、妙にかみ合ってない所があるからです。


そもそも【氷水】というテーマは強いのかといえば、そんなことはない、11期にしては平凡な構成であり、他の同期テーマと比較すればストーリー的にもカード性能的にもハードなところがあります。

しかし強化されてきたことは間違いなく、11期初期にアクティが登場した際の「なんじゃこりゃ?」感は、少なくともなくなったといっていいでしょう。


 

今回追加された新規のエジルラーンはその実水属性の汎用シンクロ(+リンク)メーカーであり、海皇構築で見るように、氷水デッキに関わらず活躍できるポテンシャルを持ち、かつ一部氷水でない方が上手く扱えるところすらあります。

して、このカードを氷水デッキで扱う際の利点は《氷水揺籃》と《氷水大剣現》によるサーチリクルの安定化、《氷水呪縛》の効果の適応の簡易化が挙げられます。実はこの3つの利点の内、氷水独自の強さを出せるのは《氷水呪縛》の効果簡易化しかなく、その他は安定性に寄与するものになっています。故に揺籃のサーチを擁しながら、その実海皇デッキとしての展開型が主に添えられるデッキが登場するのも不思議ではないでしょう。現代遊戯王では、氷水呪縛は遅いカードであり、達成が難しいからです。


 

しかし、あくまで氷水をデッキとして見れば、氷水のテーマ全体は明らかに大量展開を得意とも目的ともしていません。11期初期に登場したカード陣は控えめに行ってもかなり性能が低く、《氷水のエジル》で提示されたのは効果乱打戦の回避です。元々このテーマは、エジルのサーチ効果を元に、氷水モンスターをコストに使い、墓地の蘇生で耐久力と枚数アドバンテージを取る構成になっている。つまり中・長期戦視野のテーマとして作られていました。


 

そんな訳で一時テーマの切り札として提示された《氷水帝コスモクロア》も、明らかにカウンターを意識した効果でした。ところがこのカードは、イニオンクレイドルと共に弱点を抱えていた。そしてこれが今も尚響いていると思います。

まず第一に、コスモクロアを効果を目途に着地させる手段は、その実複数枚を使用するコンボであり、捲くり札として機能する手前で抑止に弱い矛盾した場面があった点、第二に、守備表示のシステムに無力であった点です。特に第二の弱点は厳しい。コスモクロアを着地させ効果を無効化した後にモンスターを狩ろうとしても、イニオンクレイドルのデバフが守備力にまで届かないので、処理できない場面が多いからです。


 

この側面をカバーするべくバウンス効果を搭載した《キングフィッシャー》は、対象の攻撃力と装備元の守備力を参照に効果を発動する為、効果的にはカバーできている側面はあります。ただしこのバウンス効果が通りやすくなるためには、序盤は【素打ちイニオン+氷水モンスター+キングフィッシー】、中盤からは【イニオン(所定カード回収)+氷水モンスター】と、結局名目上はカウンターのコンボ頼りであることには変わりありませんでした。


 

氷水テーマの最も矛盾した点はこの「カウンターを行う条件」にあると思います。つまり、効果を無効化しバウンスしなければならないような大型を目途に動きを作っているのに、それを達成する為の道中に大型の妨害を避けられないようなコンボを要求するという点。

これは恐らく、氷水が登場した早期から、氷水デッキを作る方の頭を悩ましていたかなと思います。


 

これが返し行為というなら、やはりカードの枚数は必要、というわけで、初期では氷水らしさを出す為には思ったよりも手数が必要でした。その為に一時は強金も積まれ、「メタビート」と呼称されるようになっていたのかなと思います。ところが氷水はメタはある程度できてもビートは思うようにはできなかった。攻撃力が高くないからです。とは言え、テーマ構成的には明らかにコスモクロアに着地点が添えられているので、これを主軸にした結果、コスモクロアが3積みされた。

この時点での氷水は、返し手段に関して大きな問題を抱えていたと言っていいでしょう。ガメシエルとキングフィッシャーのコンボは、優秀な上振れというよりむしろ、除去手段の乏しさの表れでもあったように思えます。

要するに妙に動きが後ろ向きだったんです。エジルが侵食を引っ張って相手の効果を止める以外は、蘇生もカウンターも常に「やられた後のこと」ですから。それで効果的に返すのも手数が要るともなると、構築も頭を悩まされ、ついでに下級の効果を上手く使おうとするなら構成がしっちゃかめっちゃかになってしまってもおかしくはない。「これ、どこで勝つんだ?」と思った方もいらっしゃると思います。


 

閑話休題、今も尚氷水デッキの「返し能力の乏しさ」は問題として残っています。その為エジルギュミルが出た頃からは、「やられる前にやれ」という考えの元、徐々に構築を展開系に寄せる流れが生成されているようでした。しかし、そこでギュミルと共に登場した大剣現には・・・


 

相手フィールドまたは相手の墓地にモンスターが存在し、
自分フィールドに水属性モンスターが存在する場合に発動できる。

という条件が添えられていました。つまり「あくまで後手でやれ」ということです。
問題は返しとは言った!でも、できればそういう状況に陥りたくないんですけど!
仕方ないのでディーヴァの効果を借りて展開系に寄せ、相手の展開後の妨害を先打ちで押さえようとする構築に傾いたのも、自然な流れだったかなと思います。
ディーヴァつえーなー、お、ショウエイも出せるぞ。よっしゃお前も今日から氷水や!


 

ラーン登場以降でもまだある氷水の何とも言えなさは、テーマとして後手寄りであるのに、その実機能的に返しの行動がかなり旧式なところが要因の一つかなと思ってます。だからサンボル入れたっていうのは、もうかなり割り切った感じになったかなと。

現状解決策としてはラーンを汎用水属性展開札と据え、他テーマとの組み合わせで氷水の弱点をかき消すか、あくまで氷水のテーマの流れを追ってカウンターをするかだと思います。どっちが強いというより、これは今のところ好みの問題であるとも言えるでしょう。結局、ガチのガチではどちらもパワーが足らないことは否めないからです。でもまぁほら、好きなテーマなら頑張りたいからね。うん。

ストーリー的にエジルオンリーとなった氷水の今後や如何に。(新規正座待機)

テーマレポート(書き込み自由)

  1. メモスレッド機能実装のテストついでに。
    ボルト以外のライスト/拮抗勝負も、フィールドに置く永続魔法や罠自体が残ると相手の動きが抑止され積極的に破壊されるものなので、採用出来ない訳ではないと思います。ただサイチェン用。

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